会社が倒産する時というのは、業界における競争が激化したために売上が減少した場合や、取引先である顧客が倒産したために手形が不渡りになったり、売掛金が回収できなくなったりした場合などが一般的ですが、「在庫過多」のために資金繰りが悪化して倒産することも少なくありません。
在庫というのは顧客に販売したことで初めて現金になりますが、決算書の上では資産として現金を持っているのと同じ扱いになります。しかも、商品(在庫)は販売の前に仕入れを起こさなければならないので、売上金を回収するよりも先に仕入れ代金を支払うことになります。
従って、商談が実って商品を納品し売上が立ったとしても、顧客から代金を回収できるのは先であるため、代金を回収するまでの間は資金がショートすることになります。
例えば、売り上げが100万円でその原価が40万円、経費が20万円の取引があったとします。決算書では、100万円-(40万円+20万円)で利益が40万円と計上されます。
しかし、100万円の売上代金の入金日は2カ月後なのに対して、原価と経費は1カ月後に支払わなければならないとすると、1カ月後の時点では(40万円+20万円)の60万円の現金がショートすることになります。
帳簿上では利益が40万円もあるのに、実際には60万円も現金が足りません。在庫は商売上不可欠ですが、資金繰り悪化の原因にもなります。定期的に在庫が適正量か確認することが大切です。
在庫の過多による倒産
2013年09月24日